この部落の名は、もともとはマヤーガー、猫川と書いてマヤーガーと呼んでいた。嘉津宇岳の前の方の山をフルシ岳というんだが、私らが小さいときには、そこにとっても大きな木が生えていて、その下からこんこんときれいな水が湧いていたんだよ。あの一帯の人たちは、ほとんどその水を飲んでおった。このカー(湧泉)をマヤーガーというんだよ。いつの時代か知らないけど、ある人が、イノシシ狩りのために山に入ったらしい。それで、水が欲しいもんだから水をさがして歩いたら、たまたまその人が歩いているところに、猫がずぶ濡れになって、薮の中から飛び出してきたそうだ。猫が濡れておるもんだから、「あはぁ、ここら辺には確かに水があるに違いない。雨も降らんのにこんなにずぶ濡れになっておる‥‥‥‥」といって、近くを捜したら、とってもきれいな水がこんこんと湧いているところがあった。イノシシ捕りは、その水を飲んで渇きをとめたそうだ。それから、「ここには水があるから人が住めるなぁ」といって、それからここを開墾して、人が住みはじめたそうだね。そのカーは、猫が捜したということでマヤーガーというようになった。また、このマヤーガーの付近の地名をフルシといって、人が最初に住み始めたところだからそう呼ばれるようになったそうだ。私が小さい頃は、そうとう家があったがね‥‥。 |