昔、これはもう、これは伝え話になっているが、通堂仲地と言って、通堂に家を構えて、那覇からの品物を山原に持って行って商売して、また、向こうからの藍とかいろんな産物は、また、那覇に持ってきて商売して、相当大きな、海運会社みたいのができていたそうだ。でそこの猫が、それでね。それでこのようにだったらしいがここの猫が、もう二十年、三十年なるまで、ここで飼われていて、このここの嫁、嫁さんが、もう相手年をとったころまで、この猫はここにいたらしい。そして、ある年、船にのっている船員の連中がここに用事があって来て、(そこの家に)座っていると、この(飼われている)猫が昔は冷蔵庫というのもなく、取っ手の付いたざるに、かまぼことか肉とか、作って(かごに入れて)下げてあると、この猫が飛び乗って、これを食べたそうだよ。それで(これを)船員たちは見ていたわけ。それで主がここにいらっしゃったので、この人に言ったそうだ。この船を持っている主が「あなたの猫は、取っ手のついたざるの中に入っている、肉も、かまばこも全郎食べてしまいましたよ。」と言ってしまったので、もう、この主人はすぐ、びっくりして、「もう、お前は、こんなことを言ったのだから、もう日暮れになると大変だから、お前は、船に帰ると、この網、(船を)つないでいる網を海に沈めて寝なさいよ。」と言ったそうだ。この網を、このようにして引っばっておいたら、これから猫が登って行き、すぐ、これはかみつくそうだ。それでこの主は知っているので、「もう、あなたが、(船に)戻って行くなら、このとおりにして、船をっないでいる網を水に戻して、沈ませ、そうして寝なさいよ。」と言ったので、この日の夜、何事も起こらなかった。そうでなかったならば、その縄が空中にこう通っていたら、これからどんどん登ってきて、船に行って、この告げ口をした人を探してすぐかみついただろう。そんな話があるわけ。また、あの人は(それを)よく考えていたのだ。網を突っ張っておくと描はどこまでも歩いて行くことができる。(網を)水につけておくと歩いて行けないらしい。(網の)中間を垂らして、緩めると水に網は沈むわけだが、港内だからいくらでも、ロープの加滅はできるんだよ。そういう話がある。 |