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猫と鼠の起源

ある大農家が下男といってね、雇うさあ。草刈りするといって土地のない人から男ね、頼んで草苅りたり、田んぼ耕したりってやっとったらしいですよ。この下男は夜なったら、今はこんなことないが、お爺達の若い一七・一五、六頃はご飯食べたらすぐ遊びに出よったよ。女(いなぐー)一緒にこの道の角ごとにねえ、食べたらすぐ毛遊(もうあし)びと言うんだよ。行って歌したり何したりといって、みんな一緒にそろって四、五人でも。で遅くまでいろいろ話したりして、この何か星がどこまで来たらどこ行って寝るという約束もしておってやって、夫婦になる話もしたら、「昨夜星がどこどこなるって話もしているから、もう昨夜の時分、時間だからね、もう帰ります。また明日お会いしましょう。」でえ、この下男がね、家に帰って来ておったらしい。そうしたら、この下男は主人の言う事聞かないさあ。「朝起きしてこの畑(はる)回(まー)い行って、田畑(でんぱた)回りなさい。」って主人が言っても、「いや。」ってもうあんまり聞かない。聞かないんだから今度は、これを聞いた偉い人がね、「そうか、これはだあ、わしが考えるから。」と唐に行って、大陸の動物の王の獅子に相談して、鼠を連れて来ると、その鼠がキビ荒らしてしまうんですよ。サトウキビ畑を鼠に荒らされたから、そこの主人が、「お前行って畑(はる)に行って回ったら、こんなことにならないぞ。みんな鼠が食い荒らしてないからね。お前はこの家では使わない。」と言ったらさ、「いや、そうですか。じゃ明日から私が廻ります。」で、この下男が畑を回って、この鼠に会ったら、「またこっちには来るなよ。また住所所々の朝寝坊の所食え。」と言ったら、鼠は言うこと聞いて、これから二三日、この鼠はその畑は食わないで、今度はよその家の畑がまた点々と食われていたから、で、そうしてこの鼠は体力を付けてあっちこっちで暴れたから、これを連れてきた人はもうみんなに戒められて、「この動物を連れて行ってくれ。早く根治してやらんかったらお前は殺す。」と言う具合に言われたから、さあ、唐に連れて帰ろうと思ったけど、動物だから言うことも聞かない。しかたがないから、大陸まで行ってね、また動物の王は獅子にお願いしてよ、「もうあんたが言うた者を連れて行ったら、沖縄のキビはみんな食いつぶしてないから、もう大変なってる。」「ああ、そうか、よし、また良いものがある。」と大陸にはまた猫がおるから、動物の王は獅子が、「この猫を持って行きなさい。この猫はね、あんたの家族みたいに大事にして、ご飯もちゃんと猫の皿に必(かんな)ず入れてね、食わしなさい。そして上で寝かしなさい。」と言うから、「そうですか。」とその猫を連れてきたら、猫はあちこちに行って、これが鼠を全部征伐してしまったってよ。

備考:
 
民話タイトル: 猫と鼠の起源 カテゴリー: 動物昔話
収録地: 伊平屋村田名 聴取年月日: 1980・昭和55年9月7日
話者: 男性 話者生年月日: 明治37年
出版情報
本タイトル:  
出版年:  


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