cat crownavigation bar top
Cat-City HomespacingCAT-NET HOMECat-City Web DirectoryshopYellow Pagessearch
spacing
blank.gif
blank.gif民話検索
gray line
Museum Homeblank.gif
gray line
blank.gif
gray line
猫民話 ホームblank.gif
gray line
沖縄の猫民話blank.gif
gray line
日本の猫民話blank.gif
gray line
世界の猫民話blank.gif
gray line
blank.gif
資料室blank.gif
gray line
Contactblank.gif
gray line
blank.gif
bottom of nav table


竈神の猫

ある人が一人漁に行った。毎日夜昼となく行っている海だった。自分で松明を持って、突く物まで持って、それから何か入れるものも持って行ったのでしょうね。ところが、とても良い天気だったのに、人が一人も居なかった。自分一人だけだった。一人だけだったので、「物淋しいなぁ。」と思い、「どうして今日は、人は自分の友だちは居ないのかなあ。」と思い、淋しいとの気持ちがあったのでしょう。その男は、一人だけだった。それで、魚を捕ってかごに入れて振り返り「自分の友だちは来ないかなぁ。」と浜の方を見たりしていた。淋しいものだから、自分の来た道を振り返り、振り返り見ていた。ところが誰も来ない「いいさ、仕方がない、自分は何処から来たか知っているから。」と思い廻っていたそうだ。  しばらくして、浜の方を見ると松明が二つ光っているそうだね。松明が二つあるので、「おお今やっと来たようだなぁ、自分の友だちは出来たぞ。二人も来ているようだ。行って一緒になって、一緒に漁をしないといかん。海では友だちと一緒の方が淋しくなくていい。」と松明が光っている所に行った。近づいて行って見ると、ますます大きくなり、その光が大きくなるので、「なにものだろうか。」と驚ろいていると、猫の大きな目が二つあったそうだ。大変驚ろいて、「猫の目を自分は漁火と思ったのか。」と驚ろき、あと戻りして、海の中に入って泳いで行って、岩の上に乗って、見ていると自分に今にも食ってかかろうとしていた。  ところが、その猫の化け物は水に入って来れないさ。その人が水の中で東に歩くと、その猫も浜を東に歩く、西に向って歩くと西に歩くそうだ。このようになかなか去ろうとしなかった。それで、この漁りをしていた男は、「そうだ。神様というものもいらっしゃる。自分の家で毎日、祈っている竈の神様もいらっしゃる。自分の家で毎日、祈っている竈の神様に、「何干支生まれが、漁りをしにわざわざ来たのに、人は誰も居らず、猫が居て自分に喰ってかかろうとしているが、神様がいらっしゃるものであるなら、どうぞ助けてください。」と、こんなに小さな石ころを足てさぐり当て、海ではこんなに小さな石ころが円るくなった石ころが、ころがっている所があるので、それを岩の上に三つほど並べて、「どうか竈の神様、今日はどうしたことか化け物に見あてられてしまって、自分には漁することも出来ずにいる。恐ろしくて方角さえ知らず、こんな化け物にまどわされて困っているので、どうか私の信じている竈の神様よ、助けてください。神様といらっしゃるのであれば、この命を助けてください。」と祈ったそうだ。  すると、海に入る道の、その小さな浜から、こんなに小さな猫がやって来たそうだ。それで、「あらーっ、この化け猫を何処かへおっぱらってくださいとお願いしたら、また猫がやってきた。」と驚ろいていると、この小さな猫が竈の神様だった。「また大変だなぁ。」と思っていると、この大きな目を光らせている化け猫は、この小さな猫がやって来ると、逃げていったそうだ。この小さな猫が追いかけ、遠くの方まで追いかえしたので、「あら、大きな猫が(牛の子の大きさの猫だったそうだね)こんな小さな猫に追いたてられて逃げていくとは不思議だなぁ。」と立って見ていた。その化け猫を追いかえしてから、この小さな猫は自分の所にやってきて、ミャウミャウと合図をしてきた。「おお、有難とうございます。」と、その猫は竈の神さまであったので、その男は、その場でまた手を合わせ祈っているが、去ろうとしないので、「不思議だ、この猫も自分をねらっているのか、どうしよう。」と恐くなっていた。しかし、この猫は、アウアウと鳴くだけで、浜に上がったり、自分の前にやってきたりしているので、「ほほう、これは家に帰ろうとのことだ。」と思って、上がっていくと、その人の前になったり、後になったり、その男を守って家までついてきた。その小さな猫は、後になったり、その人の前になったりしながら、家まで連れて来て、家の門の近くまで来ると、側になって、ミャウミャウとおじぎをしているそうだ。その猫に、「ああ、有難うございます。これはこれは命の守り神よ、竈の神様だったのか。」と急いで家に入って来て、戸をガラーッと開けて入って、夜中なのに竈の神様に向って泣きながら、「有難とうございます。」と話しているので、もう母や父は、海に行ったことは知っているが、こんなことになっているとは知らんさ。寝っていた母親たちは、「なにごとだ。」と言うので、「何か化け物にまどわされてしまって、今日までの命だと覚悟していると、竈の神様を想い出してお願いしたところ、小さな猫が現われて、自分を家まで、このように連れて来てくれたので、竈の神様の御蔭だと思って、こうして自分は、竈の神様を祈っているのだよ。」と話したとの話しさ。それで、山に行っても、海に行っても、方角が何処から来たのか分らぬ場合には、このように石ころを三つ拾って置いて、それにお願いすると、ちゃーんと分かるのだそうだよ。だから、そのようにしなさいと昔の婆さんたちが話していたさ。

備考:
1.ウカマ神ガナス‥‥火の神のこと。ガナスは愛称。
民話タイトル: 竈神の猫 カテゴリー: 本格昔話
収録地: 平良市西里 聴取年月日:  
話者: 女性 話者生年月日: 明治30年生
出版情報
本タイトル: ゆがたい第5集
出版年: 1989・昭和64年8月1日


back stop


Copyright (C) 2003 Cat-City.com